こんにちは、市長です– category –
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「囚人のジレンマ」と大岡越前(広報しもだ 2025.3月号より)
ある日、共同犯AとBが捕まる。2人は罪を認めると懲役5年だが、黙秘だと2年。そこで検事はまずAに司法取引を持ち掛けた。もし、お前が2人でやったと自白したらこの場で釈放してやる。黙秘しているBは懲役10年になるがな、と。 囚人Aは考える。... -
皆さんはどんな初夢を見ましたか?(広報しもだ 2025.1月号より)
今回はお正月にふさわしいおめでたい夢にまつわる落語「芝浜」から。 貧乏な魚屋の勝五郎が早起きして芝の浜に行くと波打ち際で古い財布を拾う。中を見ると大金が入っている。びっくりして家に帰り、おかみさんに見せ、二人で数えると82両もある。おっ... -
道〜ラ・ストラーダ(広報しもだ 2024.11月号より)
「道」という古い映画がある。巨匠フェデリコ・フェリーニ監督の名作(1954年)だ。 旅芸人のザンパノという、本能や欲望むき出しの大男が、オート三輪で町から町へと旅をして、行く先々の空き地などで大道芸で稼いで暮らしている。金で買われた心... -
モノより思い出。(広報しもだ 2024.8月号より)
今から10年ほど前に「下町ロケット」というテレビドラマがあった。下町の町工場で働く人々の情熱が、観る人の感動を呼んで当時大変話題となっていた。ものづくり大国日本は、実は市井(しせい)の人々がそのひたむきさで支えているのだ、ということを私... -
「観光の本質」を考える(広報しもだ 2024.6月号より)
「観光」。観光客と下田市民で、その見方はずいぶん異なるように思います。しかし、これまでそうしたことはあまり議論されてこなかった。そこで今回はそのことについて書いてみたいと思う。 まず観光客の見方、つまり、外からの視点で観光をとらえると一つ... -
8つ目の青春(広報しもだ 2024.5月号より)
今回はまだまさしの曲「8つ目の青春」(昭和60年)のお話です。歌詞が味わい深いので。 「ぼく(主人公)」は「先輩」を尊敬している。何度女の子にふられてもそれを勇気とエネルギーに変えて立ち直るからだ。ただ、先輩はふられるたびにクルマを大きくす... -
まちへ行こう!(広報しもだ 2024.4月号より)
今から30年程前、「学校へ行こう!」というバラエティ番組があった。普通の生徒たちが出演し、アイドルグループのV6が盛り上げる。観ていると、「学校って楽しいところだなあ」と思うくらい面白くて、私は大好きだった。 特に人気だったのが「未成年の主張... -
花見酒〜春らしい落語のお話〜(広報しもだ 2024.3月号より)
花見の名所にお酒を持って行ってひと儲けしようと、兄貴分と弟分の2人が酒屋で3升の酒を仕入れて1杯5銭で売ろうと企む。10銭玉の客の釣りにと5銭玉も借り、酒樽を棒で担いで歩き出す。 途中、弟分が腹が減ってフラフラになり休ませてくれと言う。「一杯... -
「合気道」をご存じですか?(広報しもだ 2024.1月号より)
言葉では聞いたことがあっても具体的にはイメージできないのではないでしょうか。 合気道の特徴のひとつに試合がないということが挙げられます。どちらが勝った、負けたということがないのです。攻撃もありません。攻撃されたらどうやってかわすかという体... -
天の邪鬼のつぶやき(広報しもだ 2023.11月号より)
私には天の邪鬼のところがあり、例えば、人口減少が大問題だと言われると、明治以前の日本は3千万人くらいで安定していたと言ってみたり、観光客数の減少を強調されると、オーバーツーリズムの弊害を唱えたりと、異論反論をしかけたくなる。 この性格は幼...