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天の邪鬼のつぶやき(広報しもだ 2023.11月号より)

私には天の邪鬼のところがあり、例えば、人口減少が大問題だと言われると、明治以前の日本は3千万人くらいで安定していたと言ってみたり、観光客数の減少を強調されると、オーバーツーリズムの弊害を唱えたりと、異論反論をしかけたくなる。

この性格は幼少期からだと思う。当時わが家は家計が厳しかったので、周りの子どもたちが持っている玩具などを買ってもらえず、同じ遊びに加われない、異端という存在になることが時折あった。ところが、私はいつからかそれが苦にならなくなり、むしろ異端を楽しむようになった。自己防衛本能かもしれない。イソップ物語の「酸っぱいぶどう」のように。

幼稚園の頃の浮輪の経験は今も忘れない。お友だちの浮き輪には流行りのマンガが描かれてカッコいいのに、私のは何も描かれていない。そこで母にマジックでマンガを描いてもらった。「風のフジ丸」とか「オオカミ少年ケン」とかだったように思う。私はそれを、これはお店で売ってないんだぞ、と誇っていた。嘘でなく、本当にそう思った。

長じてからもその癖は抜けず、今も他の自治体がやっているからという理由で、政策を実施することには抵抗がある。ふるさと納税にせよ、移住政策にせよ、今、流行りの政策に対してもアンチテーゼを思いついてしまう。その理論を構築している柱の1本1本をペタペタ叩いて、これ大丈夫かなと確かめずにいられないのだ。そして、時々、市役所の幹部会議の議題に乗せ、幹部職員は、私が示すアンチテーゼに対して自分なりの考えや意見を言うことになる。そしてその時間を、私はとても大切にしている。

議論を重ねて、皆で課題を乗り越える。しかして市役所の体質を強化する、さらには、下田市の政策を骨太にするといったことが私の責務だと考えています。

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