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花見酒〜春らしい落語のお話〜(広報しもだ 2024.3月号より)

花見の名所にお酒を持って行ってひと儲けしようと、兄貴分と弟分の2人が酒屋で3升の酒を仕入れて1杯5銭で売ろうと企む。10銭玉の客の釣りにと5銭玉も借り、酒樽を棒で担いで歩き出す。

 途中、弟分が腹が減ってフラフラになり休ませてくれと言う。「一杯飲みてぇなぁ」とつぶやいて、ふと、気づく。あ、5銭持っていたんだと。で、兄貴にこれで一杯飲んでいいか訊くと、銭を払えばおめぇも客だと兄貴。旨い旨いと飲んだ弟分は、あー生き返ったと言い、2人はまた歩き出す。と、今度は兄貴分がちょっとくたびれたと言って止まる。おめえは酒飲んで元気になったが、おれは飲んでないと。すると、「兄貴、5銭あるじゃねぇか」と弟分。あっそうか、おれも銭を払えばいいよなと飲む。本当にうめぇやとか言って元気になり、また担いで歩き出す。しばらくすると鰻屋があり、蒲焼きのいい匂いが漂ってくる。で、また弟分が飲む。こうして替わる替わる飲んでいるうち花見場に到着し、すっかり酔った2人がよーしこれから稼ぐぞぉと酒樽を見ると中は空っぽ。どうしたことかと顔を見合す2人。下げ(オチ)は、良かった良かった美味い酒が5銭で飲めた、でおしまい。

この落語は、経済学の教材にもなっているとか。

下田市は人口2万人弱で、高齢者が多い。都市規模に照らすと、飲食店等個人商店の数がかなり多いというのが我がまちの特徴ですが、それは観光やビジネス等の来訪者が相当数いるからこそ成立するものです。

本市の産業構造の中心は観光業。コロナ「5類」のこれからは、まちの魅力づくりにさらに力を入れ、もっともっとお客様に来てもらい、経済がしっかり回るようにしていきたいと思います。兄貴と弟分で飲み干してしまわないように。

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