今から30年程前、「学校へ行こう!」というバラエティ番組があった。普通の生徒たちが出演し、アイドルグループのV6が盛り上げる。観ていると、「学校って楽しいところだなあ」と思うくらい面白くて、私は大好きだった。
特に人気だったのが「未成年の主張」というコーナーで、中学生が校舎の屋上から自分の思いを叫ぶ。それを下のグラウンドに集まったたくさんの生徒や教師が聞いて大ウケする、というものである。
個性的な生徒が次々に登場しては自分の主張を大きな声で叫ぶ。最後の方の子の主張はたいてい愛の告白で、そこにカーペンターズの名曲「青春の輝き」の美しいメロディが流れて、私などはつい涙ぐんだりしたのだった。
当時、不登校とか学級崩壊など学校の存在意義が揺らいでいて、それへのテレビ局なりのチャレンジなのかなという風に思っていた気がする(勘違いかもしれないが)。
さて、翻って、今の日本社会を見ると、ステイホームとか密を避けるなどといったコロナの生活習慣が身体に沁みついてしまい、仲間達と飲み歩いたり、カラオケに行ったり、という機会が相当少なくなって、都市部でも歓楽街は寂しくなっているそうだ。このことは下田でも同様で、事は相当深刻だと感じる。
下田市は、人口が少ない(しかも高齢者が多い)割には個性的な店や飲食店が多いのが特徴なのだが、それらの店舗の存在はこのまちの魅力でもあり、観光の一翼を支えてくれている。こうした街の灯を絶やさないためにも私たちは、今、積極的にまちに出て、いろいろな楽しみ方を試してみてはどうだろう、と思うのだ。
下田が元気で楽しいまちとして持続可能にするための市民チャレンジとして「まちへ行こう!」と市民の皆さんに声を大にしてお願いしたい。新しく市役所となる元中学校の屋上から私も叫んでみようかな(笑)。