こんにちは、市長です– category –
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ChatGPTと火の鳥(広報しもだ 2023.7月号より)
「1984年」という小説がある。学生時代、ある先生から薦められた。その年がちょうど1984年だったこともあった。実際に書かれたのは1948年で、4と8を入れ替えて近未来を描いたSF小説(G・オーウェル作)である。多分読んだと思うのだが、面白さがわからなか... -
蜂蜜と1億円(広報しもだ 2023.4月号より)
今年2月、ある方のお別れの会が室蘭で開かれました。 北海道の登別を皮切りに箱根、湯河原等でホテルをいくつも経営する野口観光株式会社の二代目社長野口秀夫様のお別れの会です。そのお父上にあたる野口秀次様(創業者)は下田市柿崎のご出身で、氏は晩... -
伊豆縦貫道と天城越え(後編)
天城越えの意義の二つ目は、その旅のゴールです。天城を越えるとまず河津の湯ヶ野に投宿して旅の疲れを癒すのですが、しかしそこはゴールではなく、目的地は下田なのです。踊り子たちの旅一座も「私」も。それを端的に示す踊子の台詞があります。「ああ、... -
伊豆縦貫道と天城越え – 前編(広報しもだ 2023.2月号より)
来たる3月19日に伊豆縦貫道河津下田道路Ⅱ期の一部区間(河津七滝IC〜河津逆川IC)が開通します。 いよいよ賀茂地域に初めて高速道路が走るわけです。やがて全線が開通すれば、天城峠の北と南との間で人や物や文化など様々なものが今よりもっともっと行き来... -
走れメロス(広報しもだ 2023.1月号より)
今年もお正月の箱根駅伝に感動しました。1本のたすきを次の選手につなぎゴールを目指す。つながるかどうかギリギリの時は、テレビの前の私たちもガンバレッと叫んでしまう。駅伝は優勝争いだけでなく、様々な胸を打つシーンがあり、だからこそ多くのファン... -
バリアフリーを考える – 後編(広報しもだ 2022.12月号より)
例えば駅のエレベーターや歩道の点字ブロック。身近なところでバリアフリーが進み、社会が着実に良くなっていると実感する。ただ、こうした施設整備が進むにつれ、大切な何かが置き忘れられてないだろうか。今回はその命題についての完結編です。 20年程前... -
バリアフリーを考える(広報しもだ 2022.11月号より)
「橋のない川」という住井すゑの小説がある。私が学生の頃、バイト先(代行運転)のおやじさんが休憩時間に、松木君は土木工学科なのか、それなら「橋のない川」という小説を読んでみて。土木工学と直接関係しないけどね、と言われ、なんか変わった薦め方... -
星新一の「ショートショート」から考える(広報しもだ 2022.10月号より)
星新一の短編小説の一つに「おーいでてこーい」がある。台風のあと、直径1m程の穴が見つかる。とても深そうで「おーいでてこーい」と叫んだが何の反応もない。石を投げても、反響がない。みんな不思議がる。なんだろうこの穴は。そこに業者が現れて、買い... -
故郷を考える – 完結編(2022.9月号より)
これまで地方のまちの課題について考えてきて、今回はついにその結論、完結編です。 「このまちには魅力的な仕事がない」。これは多くの地方に共通する今日的な課題です。もちろん、中にはそんなことはないと言う人もいます。素晴らしい自然環境を生かした... -
故郷を考える – 中編(2022.8月号より)
前回は、昭和51年の山田太一ドラマ「夏の故郷」から、地方の衰退や人口減少問題は、ずいぶん昔からあったのだと改めて認識し、その上で「ここには働く場所がない」という声を下田市でもよく聞くというところまででした。今回はその続編です。 さて、ここで...